褒め言葉が、なぜかすっと胸に入ってこなかった
身長170cm、体重が82kgあった頃、僕は周りから「体格いいね」「頼りがいありそう」と言われることがありました。
世間一般のイメージでいえば、健康的で、スポーツしてきた感じのある体つき。悪い言い方をすれば「男らしい」に分類されやすいタイプです。
でも、僕の気持ちはずっと噛み合っていませんでした。
褒められているはずなのに、なんだか照れというより、居心地の悪さに近いものがありました。鏡を見るたびに浮かぶのは「ダサい」という感覚で、周りの評価とはまったく別の場所に、自分の本音が置いてあったからです。
僕が本当に見ていたのは、強さの見え方じゃなかった
学生時代、バスケ部で身体を作ってきた経験は、今でも誇りの一部です。走る、跳ぶ、ぶつかる。そういう世界では、筋肉や体重は「武器」になります。
けれど、社会人になってから僕が欲しかったのは、戦うための身体ではありませんでした。
電車の窓に映る自分の横顔、試着室の鏡、写真に写った肩の厚み。そこで感じていたのは、「強そう」より先に「ごつい」「重い」「角が立っている」という印象でした。
僕が心から「綺麗だな」と思っていたのは、性別の境界がはっきりしないくらいしなやかで、肌や髪に透明感があるような人たちでした。言葉を選ぶなら、「おとこの娘」に近い雰囲気の、中性的な美しさです。これは誰か特定の有名人の名前を挙げる話ではなく、街で見かけたり、画面越しに見たりした「雰囲気」としての憧れに近いです。
「マッチョ」を目指さなかったのは、努力を否定したからじゃない
ここで誤解されやすいのは、「マッチョ=悪い」という話に聞こえることです。僕はそう思っていません。
筋肉をつけたい人、逞しい体を作りたい人がいるのは自然だし、その選択を笑うつもりもありません。
僕にとって問題だったのは、「世間の理想像」と「自分の理想像」が別物だったことです。
周りから見れば「十分健康的」「男として正しい」ラインに乗っている。でも、自分の中の「なりたい姿」のリストには、そのラインが載っていなかった。だから、筋肉を増やすことや、さらに「男らしく」見せる方向へ進むほど、理想から遠ざかる気がしていたんです。
痩せたい、というより先にあったのは、輪郭を軽くしたい、肌の質感を整えたい、立っているだけで圧が強すぎない身体になりたい、という感覚でした。
細身の服が入らなかったのは、「意志が弱い」だけじゃなかった
理想の話だけだと、まるで空想みたいに聞こえるかもしれません。でも僕には、もっと生活に近い困りごともありました。
店で「これいいな」と思った細身のパンツを試着しても、太ももで止まる。オーバーサイズを選び続けて、シルエットで体型を誤魔化す。朝、顔がむくんで顎のラインが消えている日は、一日の気分まで重くなる。
「男なんだからガタイがいい方がいいじゃん」と言われれば、論理では分かる。でも、着たい服の前で鏡を見たときの悔しさは、論理では消えませんでした。
試着室で店員さんに「サイズ、上げますか?」と聞かれたときも、ウエストではなく太ももが引っかかっている説明がしづらくて、曖昧に笑って済ませたことが何度もありました。
僕にとってダイエットや足のケア、肌の手入れは、数字を追うことだけが目的になるのではなく、毎日の生活で起きる「違和感」を減らすための作業に近いです。
「中性的」と言い切るのは怖い。それでも線を引いた
「中性的」という言葉は、人によって受け取り方が広いです。僕自身も、最初は口に出すのが少し怖かった。
誤解されたらどうしよう、変に決めつけられたらどうしよう、と。
それでも書いておきたいのは、僕が目指しているのは、誰かのカテゴリに入るためではない、ということです。
ファッションも、肌の手入れも、姿勢も、食事も、全部「自分が鏡を見たときに、少しだけ納得できるかどうか」のための手段に近い。誰かに「こうあるべき」と言われた形ではなく、自分の感覚に寄せていく作業だと捉えています。
もちろん、僕のやり方が誰にとっても正解になるとは思っていません。体質も生活も、大事にしているものも人それぞれです。だからこのブログでは、一般論で人を説得するつもりはありません。あるのは、一人の27歳男性が、自分の身体と折り合いをつけようとしている記録だけです。
憧れを言葉にしたあとで、やることは地味になる
憧れを口にできるようになると、次に来るのは地味な作業でした。
体重と体脂肪の記録、食事の内容、足の裏の話、脱毛の通院、洗顔の前にクレンジングを足す、といった、日々の積み重ねです。
記録を付ける日と、疲れてスマホに向かうのをやめた日が混ざりました。逃した翌朝は、いつもより顔が張っている自分が鏡にいて、理由が分かるから余計にしょんぼりする、ということもありました。
理想は空に浮かんでいるように見えて、実際に触れるのは、毎日の選択の方でした。
僕は2025年10月末から、その積み重ねを本気で始めました。数字や失敗、恥ずかしかったことも含めて、できるだけ正直に残していきます。
上から説教したり、背中を強く押したりするつもりはありません。同じように「周りの評価と、自分の本音がずれている」と感じている人がいたら、僕の試行錯誤が参考のひとつになればうれしいです。
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このブログでは、食事・足元・脱毛や肌など同じ軸の記事を横断して読めるようにしています。


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