理想と現実の、あまりに大きなギャップ
「自分を変えたい」
そう思ったとき、まずやったのは、今の自分の姿をちゃんと言葉にすることでした。
当時の僕の数字を改めて書くと、身長170cm / 体重82kg / 体脂肪率27%。
数字だけ見れば「ガッチリしたスポーツマン」という感じで、周りからも「体格がいいね」「頼りがいがありそう」なんて言われることもありました。でも、僕がなりたかったのは、そんな「強そうな男」じゃありませんでした。
僕が憧れていたのは、しなやかで、透明感のある中性的な美しさ。
その理想からすると、鏡の中にいる自分は、あまりに重たくて、ごつくて、なんだか別の生き物のように見えていました。
自分の身体を作り直すために、目を逸らしたくなるような今の姿を、一つずつ確認していく作業を始めました。
悩み1:顔と脚がずっとパンパンな「むくみ」
一番見て見ぬふりをしたかったのが、全身の「むくみ」でした。
当時は仕事のストレスを言い訳に、夜22時を過ぎてからラーメン屋に駆け込んだり、深夜にマクドナルドを食べたりするのが当たり前。塩分の多い食事ばかりで、体の中に余計な水分が溜まりきっていました。そのせいで、とにかく体が重いんです。
顎のラインが消えた顔
朝、洗面所の鏡を見るのが本当に嫌でした。
そこには、顎と首の境目がなくなって、のっぺりとした顔の自分がいました。頬はパンパンに張っていて、本来の骨格がどこにあるのかも分かりません。「太ったからだ」と思おうとしていましたが、実際は不摂生で顔が腫れ上がっているような状態。その不機嫌そうな顔を見るたびに、自分の生活の乱れを突きつけられるようで、まともに自分と目を合わせられませんでした。
消えない、靴下の跡
下半身もひどいものでした。夕方になると靴がキツくなって、歩くのもだるい。
夜に家に帰って靴下を脱ぐと、ゴムの跡が肌に深く残っていて、それが寝る前になっても消えません。指で脛(すね)をぐっと押すと、押したところが凹んだままなかなか戻ってこない。自分の体が、水を含みすぎたスポンジみたいに重くなっているのを実感して、このままじゃどれだけ痩せても「軽やかな体」にはなれないな、と痛感しました。
悩み2:元バスケ部ならではの「ごつさ」
次に悩みだったのが、昔やっていたバスケで作られた、この「ごつい体」そのものでした。
上半身の厚みがコンプレックス
バスケのリバウンドで負けないように鍛えた肩幅や、厚い胸板。
世間的には「男らしい」と言われるかもしれませんが、僕にとっては、自分を大きく見せすぎる邪魔な要素でしかありませんでした。Tシャツを着れば肩が張るし、シャツを着れば胸がパツパツになる。僕が着たかったのは、布がさらっと流れるような綺麗なシルエットの服。でも、僕の体がそれを許してくれません。筋肉が主張しすぎて、服の繊細な感じを全部消してしまうんです。
ズボンが全然入らない
さらにショックだったのが、太ももの太さです。
昔の練習で鍛えられた太ももは、引退して脂肪がついたことで、さらに太くなっていました。お店で「かっこいいな」と思った細身のパンツを試着しても、ウエストは余裕なのに太ももで引っかかって入らない。無理やり履いても、筋肉の形が浮き出てしまって、なんだか肉の塊みたいに見えてしまう。
「自分は筋肉質だから仕方ない」と諦めることで、ずっと自分の体から逃げていました。
悩み3:無意識に出ている「威圧感」と「姿勢」
見た目だけじゃなく、立ち振る舞いにも問題がありました。自分でも気づかないうちに、周りに威圧感を与えるような姿勢になっていたんです。
攻撃的な姿勢と、開いた肋骨
鏡を横から見てみると、反り腰なのに肩が内側に巻いていて、顎が前に出ている変な姿勢でした。
特に気になったのが、「肋骨が常に開いている」こと。呼吸が浅くて、肋骨が外側に広がっているので、お腹周りが実際以上に太く、ガッチリ見えてしまうんです。綺麗な体をしている人は、呼吸が深くて、体に無駄な力が入っていません。でも僕は、いつも全身を強張らせていて、なんだか今から戦いに行くような、不自然な力みがありました。
「舐められちゃいけない」という気持ちがどこかにあったのか、その力みが姿勢を硬くして、中性的な柔らかさを全部消していたんだと思います。
悩み4:清潔感のない「肌質」と「青髭」
そして、最後は「肌」の問題です。いくらシルエットを整えても、近くで見たときの清潔感がないと、目指している美しさにはなれません。
ざらついた、くすんだ肌
当時の僕の肌は、いつもザラザラしていて、毛穴も目立っていました。不摂生な食事と寝不足のせいで、全体的にどんよりとくすんだ色。透明感のある肌は光を綺麗に反射しますが、僕の肌は光を吸い込んで淀ませるような質感でした。洗顔してもなんだかスッキリしない、肌の上に一枚、汚い膜が張っているような感覚。そんな自分の肌を見るのが、本当に辛かったです。
色白だからこそ目立つ「青髭」
さらに髭の問題もありました。
僕はもともと肌が白い方だったのですが、それが原因で、剃っても残る「青髭」がすごく目立つんです。朝にしっかり剃っても、昼過ぎにはもう口周りが青くなってくる。鏡を見るたびに、その青みが「お前は男なんだ」と強調してくるようで、理想としている透明感とは真逆の状態でした。これを隠そうとして化粧をしてみても、肌が荒れているから浮いてしまって、余計に不自然になる。どうすればいいか分からず、ただただ落ち込むばかりでした。
今の状態を認めて、やり直すと決めた日
170cm、82kg、体脂肪27%。
パンパンの顔、消えない靴下の跡、太すぎる太もも、開いた肋骨、そして青髭。
これらを一つずつ言葉にして見つめ直すのは、本当にしんどい作業でした。
「自分って、こんなにダメなんだ」と思って、途中で投げ出したくなる夜もありました。
まとめ
この体は、これまでの20数年間の「自分の生活」がそのまま形になっただけなんだ、と。
体に悪いものを食べ、悪い姿勢で過ごし、無理をしてきた。その結果が今の自分です。だったら、自分を責めても始まりません。やるべきなのは、今の自分を作っている原因を見つけて、一つずつ変えていくことだけだと思いました。
- むくみの原因になっている食事を変えて、体の巡りを良くする。
- 筋肉を太く見せている立ち方と、姿勢を根本から直す。
- 肌を荒らしている生活習慣と、ケアの方法を覚える。
「今の体は、まだ作り直している途中なんだ。だから、一つずつ変えていけばいい」
そう考えられるようになってから、ようやく落ち込むのをやめることができました。
自分のダメなところを全部認めたら、あとはそれをどうやって直していくか、冷静に考えられるようになったんです。
まずはこの「重さ」と「ごつさ」をどう取っていくか。
次回は、僕がこの体を変えるために決めた具体的な目標についてお話しします。

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